地方自治体の会計事務入門

自治体職員向けに会計事務の制度をまとめました。

専決と委任

 地方公共団体の長や会計管理者等、会計事務の権限を持つ者が全ての事務を直接処理することは、会計事務の量を鑑みると現実的に不可能です。他の事務と同様、権限が部長や課長、出先機関の長等に下され、実際の事務が行われています。

 権限移譲の方法に専決と委任がありますが、その内容は次の通りです。

1 専決
 権限の委譲を受けた者が常に決裁を行いますが、地方公共団体の長等、権限を持つ者の名称で契約や補助金の交付決定等の事務が行われます。
例:○○円以下の物品購入は所管の課長が決裁する。契約書の代表者は地方公共団体の長。
2 委任
 権限が委譲された者が常に決裁をするという点は専決と同じですが、執行は権限が委譲された者の名称で行います。例:○○円以下の物品購入は所管の出先機関の長が決裁する。契約書の代表者は出先機関の長。

 筆者の印象ですが、本庁の場合は専決が用いられ、出先機関の場合は委任が用いられることが多いと感じます。