地方自治体の会計事務入門

自治体職員向けに会計事務の制度をまとめました。

2020-01-01から1年間の記事一覧

専決と委任

地方公共団体の長や会計管理者等、会計事務の権限を持つ者が全ての事務を直接処理することは、会計事務の量を鑑みると現実的に不可能です。他の事務と同様、権限が部長や課長、出先機関の長等に下され、実際の事務が行われています。 権限移譲の方法に専決と…

予算から決算までの大まかな流れ

予算から決算までの大まかな流れは、次の通りです。 ①予算調製→②予算案議決→③予算執行→④決算調製→⑤監査委員の決算審査→⑥決算認定の議決→⑦決算の要領の公表 それぞれについて、説明します。詳しくは予算や決算の記事で説明しますので、今回は概要です。 ①予算…

一般会計と特別会計、公営企業会計

地方自治体の会計は、一般会計、特別会計及び公営企業会計の3つに分けられます。 1 一般会計と特別会計 一般会計は、特別会計と公営企業会計に属する事業以外の事業、全てを経理するもので、議会、福祉、医療、環境、農林水産、労働、産業、土木、警察、消…

歳入と歳出

ある会計年度の支出のことを「歳出」と言います。また、ある会計年度の収入のことを「歳入」と言います。 原則、歳出は同じ会計年度の歳入を財源としなければなりません(地方自治法第二百八条第二項)。このことを「会計年度独立の原則」と言い、例えば、令…

会計年度と出納整理期間

地方自治体の活動は特定の期間に限られず、合併等がない限りは継続していくものですが、その財政状況を明らかにするため会計年度が設けられています。 1 会計年度について 会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年の3月31日に終了します(地方自治法第二百…

地方公共団体?自治体?

地方公共団体と自治体という言葉がありますが、どちらも同じものだと理解して差し支えないと筆者は考えます。地方公共団体は、憲法や地方自治法等の法令で使われる正式名称で、自治体は一般的に使われる名称という違いがあります。 当ブログでは法令に関する…

自治体の財務・会計の大本(本題に入る前に)

憲法は、国の機関だけではなく自治体の機関についても、第八章地方自治で規定しています。その内の憲法第九十二条の「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨*1に基いて、法律でこれを定める。」という規定を受け、地方自治法で自治体の…

はじめに

はじめまして。 日頃から自治体の職員が、すぐに、簡単に、そして体系的に自治体の財務・会計の知識を習得する機会が少ないと感じており、こちらのブログを開設しました。 総務省や自治体のウェブサイトは、確実な情報であり実務において非常に有益です。し…